あのバス停で.

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あのバス停で

 

あのバス停で

今は、交通機関も発達して、少しは便利になった実家付近のバス停
僕らが、初恋をしていた頃は、
まだまだ不便な片田舎で、緑の山と青空と入道雲が、冴え渡る、
原色の色使いで、視界に飛び込んできていた。
今は、忘れかけた、懐かしい景色。

初めて、少し離れた都会のプールへ二人で出かけた時の帰り道、
最寄駅の自動販売機で、カルピスを購入し、盛り上がってた、
胸の高鳴りを覚ますように、トボトボと
君を家の近くまで見送る途中、突然夕立ちが降り出してきた。

緑の山に青空と入道雲 突然降り出した雨

君の手を引き駆け込む 二人きりのバス停

濡れたシャツが 少し肌寒いのは

言葉になら無い気持ちが 切な過ぎるから
一瞬引き込んだ身体 思わず抱き締めていた

慌てて離れる 蒼過ぎる恥じらい
少しだけ 熱い身体 初恋の雨

濡れた君の髪の香り いい香りで
とても 温かくて 柔らかだった

安物の時計の音が聞こえるような 沈黙が
時間の速度を速めて行く…

出来るなら
時を無くしてしてしまいたい衝動にかられる

どうにも出来無くても 上手く言えなくても
ただ 君とこのまま居たかった
無駄な時間だと 君は思ってるのだろうか?

だけど…好きなんだ…言葉に出来ない
弱虫な僕だけれど…

霧が溢れ 薄暗い夕立ちのバス停
肩にもたれた 君の髪の匂い 忘れられ無い

 

 

あのバス停は、木で出来た、オンボロな小屋の様な造りで、プールで遊び疲れた、心地よい疲労感と、言葉が難しくて、上手く表現出来無い歯痒さと、疲れて肩にもたれて眠る君が、心地よくて、短い間だけど、僕も、寝たふりをして、その感覚を味わっていた。霧に包まれたバス停の外は、薄暗かったのを覚えている。今は、そのバス停も、建て替えられて、少し寂しい気がするのだが、この前を通ると今でも、良く思い出す。

 

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