焼き芋.

焼き芋

 

君が好きだった あの公園の秋の彩り

今は一人 ベンチに腰掛け 目を伏せる

時折冬の様な 冷たい風が吹き込む…

ひと息吐いたタバコの煙が

煌々とつく水銀灯に照らされて

まるで生きているかの様にうごめく

君が居なくなって どれ位経つのだろうか?

いつも仕事が終わって

此処で待ち合わせていたのに …

懐かしい 焼き芋屋の釜笛が近づいて来た

あの時と同じ様に 焼き芋をほうばって見ても

君の居ない隣は淋しくて…

思わず その温かさに涙が滲んだ…

ヤッパリ 君の温かさが一番だったんだ…

そして 後悔しても 君は帰らない…

焼き芋屋のピーという釜笛も遠ざかり

振り返ると 風が落ち葉を散らしていた…

 



 

-恋/失恋/片思い

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