チョコの代わりに.

チョコの代わりに

 

チョコの代わりに

僕が、小学生の頃、その子が僕の彼女になる前の事…小さな恋がお互いに、芽生えた時だったと思う。

彼女はクラスで一番の人気者で、少し離れた町に住んでいて、隣の席で、何と無く仲良くなって、彼女との事を特別と意識しまた。彼女も同じ気持ちで、気がつけば僕達はもう、二人きりで会いたいと言う感情すら持ち始めて認識していた。

そしてよくデート?遊んだものだ…夕方、君が好きだった白い歩道橋の上、いつもお決まりの迷路のある丘の上の公園、秘密にしていた二人きりのデート?
それでも秘密のつもりのデート?の事をクラスのみんなが知っているのは、その子の取り巻きの女の子達が、デートする公園に何人かいて、会ってた次の日、クラス中で評判になって、よく冷やかされた…

そんな時にバレンタインにチョコレートをあげるのが流行り出していて、とあるお菓子メーカーの戦力でハート型のピーナッツの入った奴…今はもう売ってないのかな…?その頃100円が50円で売っていたような気がする。

クラスの何人かの男子が、彼女のチョコが欲しくて頼みに来た様子を目の当たりにして。彼らは僕と彼女のことを恋人と認識できていない様だった。隣に座ってた僕に、友達がこいつの分も…って彼女にチョコを頼んだので…何故か無性に腹が立って、僕はチョコはいらない…そんなこと、男から言うもんじゃ無いって言ったのを覚えている。(暫く真似されたけれど…)
そんなことで良く彼女を守るために喧嘩なったり、言い争いを他のクラスの男子ともしたこともあった。

彼女と一緒にいた時間は短くて…新しい学校ができて、校区の違った彼女は、そこの学校に通うことになった…

離れ離れになってしまった…それでも何度かデートしたり…彼女に会いに行ったりしていたが、いつになくお互い時がすぎてゆくとともに、潮が引いて行く様に、自然消滅していた…

確か高校生の時に、友達が週末DISCOへ行く時に着たいという、白いビッグシャツを買いにスーパーへついて行った時に、偶然、スーパーの中のレコード屋さんで、バッタリ呼び止められた…彼女は、そこで、バイトしていた様だ。

彼女は僕の昔の名前を読んで、驚いたように近寄ってき来て暫くの間、懐かしい恋人に出会ったような感覚で立ち話をした…やっぱり2人はつながっていたのだなぁ。

しかし時が経ちすぎて彼女もいっそうきれいになり…僕は家庭の事情で名字が変わってしまって…立派な不良少年と言われる姿になっていた…

確かサーファーになる前だから、高校一年生だったなぁ。同じ一年生でも、純粋で可憐な彼女と、住んでる世界が違う様に感じたなぁ。

見かけ、姿は不良と言われても…でも心の中はまだ、純粋さがいつぱいあって、何とも言えない切ない気分になったのを覚えている。

もう…古い古いバレンタインのお話でした…デモ…

 

 

チョコの代わりに…

本当は楽しみにしてたのに
チョコいらないって…

チャンと理由も告げずに…

彼女に言った僕…なんて不器用なんだ…

まだ僕らは子供だったから

本当は 君のおこずかいを心配して
言ったつもりだったけれど…

限りなく…胸が張り裂けそうで
…後悔したのを覚えてる…

本当は メッチャ欲しかったのに…

デモそれが 僕の精一杯の思いだった

他から 義理チョコは貰えたけれど

男の子の見栄を張り通した…結果…

デモ何かが物足りない

それは…君からの想い?
それは…君との関わり…

繋がっていない様な気分で
仕方ないと諦めてた 僕に…

次のデートの時 に持って来てくれた

チョコの代わりに…

クッキーと優しさと 大好きって言葉

白い歩道橋が僕らごと夕陽に染めて
手探りの言葉と 愛と言う温もりを知った…

 

 



 

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